EC・通販サイトで、「カゴ落ち(カート落ち)」したユーザへの対策を実施されている企業担当者は多いのではないでしょうか。
売上向上に有効な手段として「カゴ落ち」対策はよく知られています。
一方、「カゴ(カート)」に行く手前で途中離脱したユーザに対する対策も有効であることが分かっています。
そこで今回は、カゴ落ち手前のブラウザ離脱を売上につなげるコツをご紹介します。
ブラウザ離脱とは
「ブラウザ離脱」は「ブラウザ放棄」とも呼ばれます。Webサイトを訪れるユーザが次のページに進まず、そのページを最後にブラウザを閉じたり、別のサイトに移動することを指します。
ユーザは最終的にはあるタイミングでサイトを退出するため、ブラウザを離脱することになりますが、どのページで離脱したかが重要になってきます。
ECサイトの場合では、購入に近いステップとして「購入申込ページ」、「カートページ」、「商品詳細ページ」などポイントとなるページがあります。「商品詳細ページ」から商品をカゴに追加してブラウザを離脱した場合は「カゴ落ち」対策、カゴに入れずに閲覧のみで離脱した場合は「ブラウザ離脱」対策が有効です。
実際、ECサイトにアクセスしたユーザの多くは、そのまま何もアクションせずにサイトから離脱していると言われています。
Ecommerce Quarterly BENCHMARKSによれば、商品のカートへの追加率は平均7.0%と言われています。
つまり潜在顧客の93%は、商品を閲覧していても商品をカゴに入れていないのです。商品を閲覧しただけの「カゴ落ち」前のユーザは、カゴ落ちの対象ユーザよりも対象母数としてはかなり大きくなっています。
商品のカート追加率(地域別)

「カートページ」にたどり着くもっと前に存在するブラウザ離脱ユーザにアプローチすることで、販売機会を創出し、売上につなげることが望まれます。
カゴ落ちとブラウザ離脱の原因

「カゴ落ち」の原因として挙げられるものは、さまざまです。例えば、「商品を購入しようとしたが購入プロセスが分かりにくい」、「入力項目が多すぎる」、「想定と価格が違った」、「お気に入り商品として登録しておきたかった」などが理由で、購入決済に至っていません。
一方、「ブラウザ離脱」の理由では、そのページの商品がユーザを惹きつけるものでなかったり、商品が分かりにくかったりといったことが考えられます。 例えば、特定カテゴリを表示したのに特定の製品を閲覧しなかったり、検索して商品を表示したのに閲覧しなかったりする場合は上記の理由が想定されます。
また、最初から商品の購入までは考えておらず、ただウィンドウショッピングをする目的だったユーザも一定数います。
ブラウザ離脱する理由は必ずしも明確ではありませんが、商品選択や価格で悩んでいる、ユーザにとってより有益な商品を探している、閲覧中にうっかりページを閉じてしまったという可能性もあります。
離脱から売上をうむためのコツ
現在、Web上で完結するブラウザ離脱防止策として、商品閲覧後に購入アクションをしないユーザに、離脱前にポップアップで商品を訴求する施策もよく見られます。
ここではカゴ落ち手前のブラウザ離脱にさらに有効な対策として、サイトを離脱してしまったユーザへOne to Oneでメールを送ることをオススメします。
すぐに送るリマインドメール
ユーザの関心が薄まらないうちにこれまでの閲覧商品をリマインドします。早ければ早いほど効果が高いので、ブラウザ離脱後30分から1時間後に一度リマインドメールを出します。カートに入れるまでいかなかった商品でも、興味・関心を呼び起こすことができます。
また複数の閲覧商品をメールに差し込んで表示させることで、より購買欲を喚起します。 また閲覧した商品の関連商品をレコメンドするのも効果があります。
興味関心を閲覧回数から導く
商品詳細ページを1回見ただけの商品の場合、興味・関心が低い可能性も高くなります。逆に何回も見ていた場合、興味・関心がより高い可能性があります。そのため閲覧回数を考慮した上で、送信対象を抽出するのも効果的かもしれません。
ブラウザ離脱メールの効果と実例
Webで商品閲覧後、カゴに商品を入れずに離脱したユーザ(お客様)へメールでアプローチをされている企業の例を紹介します。今まで購入機会を逃してしまっていたユーザを、ブラウザ離脱メールにより、ECでの購入はもとより店舗での購入にもつなげている事例です。
ここで取り上げるのは、ECと店舗を展開しているアパレル企業です。
もともとこの企業のユーザの特徴として、Webやアプリで商品カタログを見てから購入する傾向があげられます。
同社ECサイトでは、気に入った商品を「カートに入れる」という購入に向けたアクションだけでなく、その商品の取扱店舗を探すことができる機能も備えています。
ユーザは商品を閲覧し、在庫がある店舗を確認した上で、店舗に出向いて購入するというケースも少なくありません。

同社ではECサイトでの売上向上施策として、ブラウザ離脱メールを実施しています。
カゴ落ち手前のブラウザ離脱を売上につなげるために、商品閲覧のみでブラウザ離脱したユーザに対しメールを送信します。閲覧後30分~1時間以内というユーザの熱が冷める前に、閲覧商品のリマインドメールを送信することで、ユーザの購買意欲を喚起します。
ブラウザ離脱メールの送信効果は、効果レポートで見ることができます。以下に示す効果レポートでは、ECの注文数だけでなく店舗での注文数もあがっており、ECと店舗双方の売上に貢献することとなりました。
ブラウザ離脱メールによりECから店舗への送客にも見事成功した事例です。
ブラウザ離脱メールによる売り上げ効果例(効果レポート)

まとめ
適切なタイミングで適切な情報を提供することができれば、売上につなげることができます。
今回ご紹介したカゴに商品を入れる前にブラウザ離脱したユーザへの施策、One to Oneのメールアプローチは、いわゆるカゴ落ちメールを2倍以上上回る傾向があるともいわれています。メールメッセージの送信は、ユーザのやりたいことや興味あることを手助けし、活用する絶好の機会です。
MA(マーケティングオートメーション)を用いることで、リマインドメールの配信タイミングだけでなく、閲覧履歴・行動履歴からのレコメンドや細かなターゲット設定も可能です。
MAを活用した様々な施策が考えられますので、カゴ落ちだけでない対策をお考えのご担当者様、お困りのことがありましたら、いつでもアクティブコアまでお気軽にお問合せください。

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