One to Oneコミュニケーションのための顧客セグメントの作り方と活用事例

顧客ニーズが多様化し、購買タイミングに合わせた適切なアプローチが重要となる中、顧客をどのようにセグメントし、アプローチを実施するべきか悩まれている企業様も多いのではないでしょうか?今回はMA(マーケティングオートメーション)における顧客セグメントの分け方についてご紹介いたします。

アプローチすべき顧客セグメントを可視化する

One to Oneコミュニケーションを行う前に、先ずアプローチを行う顧客を可視化する必要があります。可視化の代表的な例としてRFM分析やデシル分析が挙げられます。
例えばRFM分析では、Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)で顧客をグループ分けすることで、自社に優良顧客、通常顧客、離反顧客がそれぞれどれだけいるかを可視化します。可視化することで、各顧客セグメントに対して最適なアプローチ手段を検討することができます。
分析を行う際は、社内にあるデータをできる限り統合することで、顧客の状況をより詳細に捉えることができます。例えば、Web行動履歴も分析軸に加えることで、直近のWeb訪問日や訪問回数からアクティブ度合が判断できます。単純な優良顧客というセグメントではなく、「アクティブかつ優良顧客」「アクティブだが購入金額が低い顧客」「元優良顧客だが離反した顧客」といったように顧客を深掘りすることで、よりアプローチを行うべき顧客が明確になります。

ただし、RFM分析は「顧客が購買した商品は考慮しない」「高額商品などの購買頻度の低い商品には適してしない」といった注意点もあります。自社商材・商品の単価や購買サイクルに合わせて、様々な側面から分析を行う必要があります。

顧客セグメントの参考例


では、セグメント分けを行う際にどのような切り口があるのでしょうか?
ここでは当社のお客様が実施している顧客セグメントの事例をご紹介いたします。

顧客の購入回数や購入頻度、会員ランクでセグメント

購入回数や頻度、会員ランクでセグメントし、施策を実行することで休眠防止やリピート購入の促進、顧客ロイヤル化に繋がります。
EC通販では、初回購入者のリピート促進が課題として挙がっている企業様も多いかと思います。
その場合、いち早く休眠予備軍を可視化し、休眠顧客になる前に先回りしたアプローチが必要となります。休眠予備軍のセグメント例として、直近の購入頻度や回数があります。例えば「直近3ヶ月以内に初回購入をしたが2回目購入がない顧客」は、休眠となる可能性が高いため、保有ポイントや
クーポンといったお得な情報をメールで案内することで購買に対する心理的なハードルを下げ2回目の購入を促します。メールで案内をした際、Webへの訪問があれば、行動履歴から直近で興味の高い商材や情報が把握できるため、更に顧客に合わせた情報提供が可能となります。

顧客の興味・関心の高いブランドでセグメント

ブランドが複数ある商材の場合、ブランド毎にターゲット層が分かれていることがあります。
例えば、女性服のアパレル通販の場合ではブランド毎にターゲットの年齢層が違う、ファッションのテイスト(系統)が分かれる、スポーツ服のアパレル通販の場合ではブランド毎にスポーツのジャンル(テニス、野球、バスケットボールetc.)が違うといったようにブランド毎に明確にターゲットが異なる場合は顧客の興味・関心が高いブランドに合わせた情報提供を行う必要があります。
まずは、顧客が過去に購入している、またはよく見ている商品ブランドから興味・関心の高いブランドを判断し、ブランドに特化した新着情報やセール情報を案内する必要があります。
基本的には、ブランドに特化したアプローチが有効ですが、ブランド間の相関関係が高い場合には、ブランドの合わせ買いを促すことも効果的です。

顧客の購買チャネルでセグメント

購買チャネルは店舗、Web、アプリ、LINE等多岐に渡ります。店舗を持っている場合には、顧客が
利用する店舗毎にセグメントを分けて施策を実行することで来店促進を行います。
顧客が利用する店舗の新着情報や人気ランキング、加えてテナントで行われるイベントやキャンペーンの案内を情報提供することで更に来店を促すことができます。また、コロナ禍で今まで店頭で
商品を購買していた顧客もWebやアプリ、LINEといったデジタルを介した購買も増えています。
例えば、店頭での購買頻度は高いがWebサイトでの購入がない顧客限定で、Webサイトだけで利用できるクーポンを発行することで、Webサイトでの購入促進にも効果的です。Webと店舗の両方で購入している顧客には、WebサイトのMyページ内でよく利用する店舗のおすすめ商品等を表示することで店舗への送客に繋がります。

顧客が購買した商品や最終購入日でセグメント

化粧品や健康食品を始めとした単品通販の場合、商品を使い切るタイミングで次の商品をお勧めすることで、商品を長期的に利用してもらい、LTVの向上を図ります。
また、顧客が購入している商品でセグメントを分けて施策を実行することで、購買促進を行います。例えば、化粧品通販の場合、化粧水を購入している顧客に対して、同じブランド内で関連性の高い商品(乳液)の情報を提供することで併売を促すことができます。
また、化粧品や健康食品は消耗品となるため、1ヶ月や2ヶ月といった消費サイクルが決まっています。消費サイクルに合わせて「最終購入日からN日後」というセグメントを分け、購入フォローの案内を提供することで顧客の購買タイミングに合わせたアプローチが可能となります。

まとめ

顧客が必要としている情報を適切なタイミングで提供するためには、顧客セグメントの可視化・分析が必要です。One to Oneコミュニケーションにより、顧客のロイヤル化や顧客満足度の向上に繋がります。
マーケティング施策のご参考になれば幸いです。
当社MAでは、今回ご紹介した顧客セグメントの作成や各セグメントに合わせたOne to Oneアプローチを行うことができます。MAをご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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